2020.04.23マンション管理組合
管理会社と管理組合の関係性

マンションの管理組合と管理会社……名前は似ていますが、それぞれ役割は異なります。分譲マンションの所有者全員で構成されているのが管理組合、マンションの管理業務を管理組合から請け負うのが管理会社になります。今回はそんなマンションの管理組合と管理会社の関係性と、管理組合が管理会社への委託する業務について、まとめていきたいと思います。

1.管理組合と管理会社の関係は?

先程も記載したとおり、管理組合とはマンションの区分所有者全員で結成されている組織です。分譲マンションを購入するということは、全員がマンションを維持管理していく当事者の役割を担っているのです。

しかし、マンション住居者の多くは日中仕事にでかけているほか、家事や育児などその他のことに忙しい人がほとんどなので、共用部の点検や清掃、大規模修繕工事の計画や積立金の管理など、実質的な管理部分は管理会社が請け負っているというケースが多いでしょう。

2.管理会社へお願いする業務って?

実際に管理会社が請け負う業務ですが、大きく分類すると「事務管理業務」、「管理員業務」、「清掃業務」、「建物・設備管理業務」の4つになります。

事務管理業務では、主に管理費や修繕積立金の徴収、家賃等の未払いがないかなどの会計業務全般、理事会や総会の運営サポートなどを行います。次に管理人業務では、訪問者の受付対応や業者の立ち会い、マンションの巡回などを実施します。

清掃業務では、ゴミステーションや廊下、階段などの共有部の日常的な掃除、さらに定期清掃にて汚れを落とすためにポリッシャー清掃などを行います。最後に建物設備業務では、マンション設備のメンテナンスや点検、補修などを行います。

3.管理会社に委託する方法は?

管理会社へ業務を委託する際、「一部委託」と「全部委託」のどちらかの委託方法を選択することになります。一部委託であれば、先程説明した業務ごとに業者を分けることが可能です。しかし、それぞれコミュニケーションが発生すること、また全てを一任できない分、管理組合への負担がかかるでしょう。

全部委託であれば管理会社にすべての業務を担ってもらえるので、管理組合の負担は少なくなります。しかし、管理組合の当事者意識が薄れてしまう可能性があります。

4.管理会社は大きく分けて2種類

管理会社は、大きく分けると2種類に分類されます。まず、親会社が施工および販売を行ったマンションの管理を請け負うデベロッパー型管理会社、そして特に系列グループなどもたない独立型管理会社です。

一般論としてデベロッパー系は親会社に左右されやすく、独立型は会社によってサービスの差が激しいと言われていますが、実際は会社ごとによって変わるため、どちらが良い悪いとは定めにくいところです。自分たちが主体的に管理する意識を持った上で、相性の良い管理会社を選ぶことが大切になります。

5.まとめ

管理組合とは分譲マンションの所有者全員で構成されている組織を指し、管理会社とは管理組合から実質的なマンションの管理業務を請け負う企業のことを言います。管理業務は大きく分けると4種類、それぞれを別な会社にお願いする「一部委託」方式と「全部委託」方式から選ぶことができます。

どの管理会社を選び、なんの業務をお願いするのか……それを決めるのはまぎれもなく管理組合の構成員です。あくまでも管理組合がマンション管理の主体であることを忘れてはいけません。